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乳酸って悪者でしょうか?2021/12/16

カテゴリー: 可愛いおばあちゃんになるための教科書

naturally代表の南方和美です。
 
乳酸
疲れさせる原因という認識が強いですね。
 
そもそも乳酸が疲労物質であると提唱したのはイギリスのノーベル賞受賞学者です。
彼とその研究者たちは1929年に発表した論文において 運動によって体内に乳酸が作られ、 それが蓄積することにより疲労につながるという理論を発表しました。
彼がノーベル賞受賞者であったため、この理論は疑われることなく彼の生徒や学術者を始め多くの人々に支持され続けました。
 
ところが研究がさらに進み「乳酸は悪者とは限らない」と言われるようになりました。
運動の種類によって乳酸は、エネルギー代謝システムの大きな役割を担うことがわかってきたのです。
 
グリコーゲンをエネルギー源としたATP再合成では乳酸が再生されます。

その再生された乳酸は心筋や遅筋内で酸化しエネルギー源として利用され最終的には二酸化炭素と水に分解し排出されるのです。
また一部は肝臓でグリコーゲンに再合成。
運動強度が低いと体内では主に有酸素性エネルギーが使われています。
その際は乳酸生産量も少ないけれど運動強度が高くなっていくに従って乳酸生産量も増加します。
乳酸の分解や除去が追いつかずに筋肉内に蓄積されていくので筋疲労を起こすと考えられていましたが、実は乳酸生産の過程で酸性に傾かせることによってpHをアンバランスにすることが原因一つとわかってきたのです。
有酸素性トレーニングの他に無酸素トレーニング(レジスタンストレーニング)を上手に組み合わせると乳酸は大きな味方になってくれます。
 
重力が関節をすり減らすとか、肩が凝るのは乳酸のせいとか、根拠に乏しいことで何かのせいにするよりも
自然の恵みや人体の不思議について、もっと知識を増やしましょうよ。

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