尿酸を知ろう。2022/01/12
カテゴリー: 女性の健康
naturally代表の南方和美です。
尿酸(にょうさん)は膀胱結石の中から発見された物質です。
エネルギーの動きを担当するATPが分解されると尿酸ができます。
人体のエネルギーを受け持つ物質の老廃物と考えてよいでしょう。
身体が健康であると分解されるために体内にたまりません。
ですが、一部の方は尿酸を分解する酵素が遺伝的に足りないため(もしくは後天的に欠損してしまった)尿酸がたまる傾向があります。
通常、ヒトの体内では一日約0.6gの尿酸が作られますが、産生が多くなる(作りすぎる)ことや排泄が低下すると体内に蓄積して「痛風」を引き起こします。
プリン体という言葉はよく耳にしますね。
ではプリン体って何でしょうか?
運動したり臓器を動かすためのエネルギーがプリン体で常に体内で作られています。
細胞には遺伝子情報を伝える「核酸」という物質がありますが、その核酸の構成成分もプリン体。
つまりプリン体は細胞の中に常にあり、動物や植物のいずれの食品からも体内に入ってきます。
これらのプリン体は主に肝臓で分解されて尿酸となりますが、一時的に体内に取り込まれた後に尿や便として排泄されるのが普通なのです。
適正値は男女で違い、痛風が圧倒的に多いのは男性。
お酒の量が原因と思う方が多いでしょうが、う〜ん、ちょっと違うかな。
女性ホルモンには腎臓から尿酸を排泄促進効果があるので痛風は少ないのですが、注意すべきは閉経後!です。
ホルモンが守ってくれていた働きが弱まると尿酸値が上昇するので要注意(私も注意しなくてはなりません)
尿酸値が高いと痛風という関節の強烈な痛みだけの症状だけで済みません。
腎臓に溜まった結晶により腎臓が悪くなったり尿路結石を起こしやすくなります。
さらには狭心症や心筋梗塞、もっと怖いのは脳出血や脳梗塞といった脳血管障害を起こしやすくなるのです。
内分泌代謝科のドクターに聞くと尿酸産生抑制薬が中心で治療をするけど、一部に重症の肝機能障害を引き起こす薬もあるので慎重に選択しなければならないとのこと。
尿酸は絶えず身体の中で作られているので下記の生活習慣改善が必要になります。
*食べ過ぎに注意
*お酒は適量がベスト
*高プリン体食に気をつけましょう(レバーなどの動物内蔵)魚介類や干物。過剰摂取は控えるのが望ましい。
*適切な運動の勧め
(激しくて息をこらえる無酸素運動は逆に尿酸値上昇の原因になることもありますので、呼吸をしっかり意識した有酸素が好ましい)
尿酸値、あなどるなかれ。
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